【エデン零式作成秘話や世界設定についてなど】「gamescom2019」【インタビュー】
みなさんこんにちはこんばんは!
今回は電撃PlayStationさんによるgamescom2019での吉P&織田さんインタビュー記事のポイントを自分なりに抜粋してまとめたものをご紹介できればと思います。
記事全文
それでは早速いってみましょう!
■「漆黒のヴィランズ」リリース前後の状況について
Q.メインストーリーについてお二人の率直な感想をお聞かせください。
A.吉田「想像以上に反響があって驚いた。いがいと今回のようなストレートな物語が受け入れられる時代なんだな、という感想を持った」
Q.gamescomに来場しているファンの反応は?
A.吉田「現地メディアの反応を見るとエキサイトしてくれたんだなと(笑)全世界のフィードバックとしても僕らの想像以上の反応をいただきました」
織田「自分的には懸念のある部分もあったので評価が得られて嬉しかった」
Q.懸念点とはどういった部分だったのでしょう?
A.織田「ロールクエストやミーン工芸館クエストです。今までのジョブ・クラス固有だったものが統合されてしまった印象を与えかねない。でも受け入れられたようで安心した」
Q.ロールクエストは闇の戦士たちのその後も語られており、興味深く体験できた
A.織田「第一世界の物語を描くならば、闇の戦士一行についても語らなくてはという思いは最初からあった。メインクエストではアルバートに焦点を当て、ロールクエストでほかのメンバーを補完しようとメインシナリオライターの石川と話し合って決めた」
Q.プレイヤー人口は増えましたか?
A.吉田「アクティブプレイヤーは100万人を超えた。中国版と韓国版を合わせるともっと増える」
Q.事前の想定よりも多くの方に遊んでもらえている?
A.吉田「それは間違いない。そしてそれはSNSで発信される実際に遊んでいる人の声によるところが大きい」
Q.SNSの反響は、日本だけでなく世界でという意味ですか?
A.吉田「そうですね。僕らとしては、『漆黒のヴィランズ』がなにか特別なのかと言われても、いつも通り頑張って作っただけなんです。これまで少しずつ準備してきたシステム的な強化が一気に噛み合った結果だと思っている」
Q.「新生編」のストーリーが長く感じるという指摘についての考えを聞かせてほしい
A.吉田「現時点では、その手の入れ方の準備をしている。パッチ5.X中には対応する予定」
Q.クエストの総数も調整される?
A.吉田「クエストの数自体は減らす。メインストーリーを進める上で知っておかなければならない情報は絶対に削らず、必要のないような部分はざっくりカットすると思う」
Q.アクティブプレイヤーの数が増えたとおっしゃいましたが、5.0では大きな障害もなく快適にプレイできた。アクセス増加対策について教えてほしい
A.織田「シナリオ側では『冒頭でシナリオを2ルートに分ける』『インスタンスバトルの位置を最初のほうにおかない』といった工夫を行った」
Q.企画段階でそういった対策を講じた?
A.織田「ラウバーン討滅戦の反省を活かし、シナリオの早い段階でインスタンスバトルを入れないつくりにした」
Q.オンラインゲームの拡張時はサーバー関係のアクシデントが付きものというイメージがあった
A.吉田「開発・運営チームの努力の賜物ですね。ラウバーン討滅戦のようなことを2回も繰り返してしまうのは恥ずかしいという思いがあった」
■エデン零式作成秘話
Q.希望の園エデン零式:覚醒編は、海外チームが約14時間で踏破しました。今回は、難易度を抑えたのか?
A.吉田「実は、拡張後の初レイドは通常時よりもHPを10%ほど下げるのが通例だったのですが、今回は全層のHPを15%下げることにしました。よりたくさんの人にクリアしてもらおうという意図があった」
Q.間口を広げたんですね
A.吉田「トッププレイヤーの人たちには『絶』があるので、零式はみんなが楽しめるくらいの難易度にした」
Q.前後半制でなかったのも印象的だった
A.吉田「前後半にすると、毎週消化するのがきついというフィードバックもあった。マンネリを生んでしまうし。『やっぱり前後半がいい』というフィードバックが多ければ次以降の制作に活かしたい」
Q.1層でエデン・プライムが登場し、3~4層では光の戦士の記憶力が試されるなど、ボスそのものが興味深かった。今回のボスが誕生した経緯を教えて欲しい
A.吉田「『第一世界というのは似て非なる世界。だったらその地域なりのイフリートやタイタンが出てきてもいいのでは?』とう構想があった」
織田「ラストの展開が決まったあたりからエデンのボスに関するアイデアやストーリーが進行していった」
吉田「エデン・プライムが1層ボスになっているのは『タイトルが発表されても、そいつと戦えるのは最後』という常識をひっくり返したかったから」
織田「6年も続いているタイトルなので、マンネリ化が怖いというところもあって変化球を投げた」
吉田「今のレイドプレイヤーは『最後に待ち受ける敵は何なのか?』という部分を疑問に持っているはず。それが僕らの狙いの1つ」
■世界設定について
Q.第一世界という新しい世界はどのようにして構築されたのか
A.織田「まずは伝えるべき重要な情報は何なのか、ということを整理することから始めた」
Q.重要な情報とは「光の氾濫」や「罪喰い」など?
A.織田「それも伝えるべき情報の1つ。凝りすぎるとわかりにくくなるので『砂漠の街ならこんなイメージだよね』というように、1発で理解できる要素を意識して増やしていった」
Q.あえて分かたれた世界でありながら、似た歴史・国家などを連想させた?
A.織田「そうなります。例えばナバスアレンはウルダハという前例があるからこそ多くを語らずとも理解しやすいものになっている。ここをまるっきり違う歴史・特性にすることもできたがあえてそれはやっていない」
Q.逆に新しい試みを盛り込んだところは?
A.織田「イル・メグがそうです。原初世界でクルザス地方にあたるイル・メグは、第七霊災を経ていないので寒冷化していない。『妖精』という要素にしても、中世ヨーロッパやケルト神話の妖精文化をベースにすることで、わかりにくくなることを回避している」
吉田「『ロード・オブ・ザ・リングの裂け谷をそのまま作ればいいんだ』みたいな話をしていた(笑)。ただでさえオンラインRPGは設定が膨大で、一見さんお断りなイメージになりやすい。今回はストレートに物語を楽しんでもらうため、徹底的にわかりやすくしてくれた」
Q.わかりやすいが、掘り下げれば深いところまで設定がありますよね
A.吉田「そういった深い部分を無理に表面に出していないのが、織田のうまさだと思う」
Q.ジャイアントビーバーって何だったの?
A.織田「ビーバーの流れは僕が書いたが、多くは語りたくない(笑)」
Q.アルバートたちの敵『影の王』のストーリーの着想はどこからきたのか?
A.織田「暗黒騎士のジョブクエストは『何も捨てずに、すべてを得ようとした物語』だった。では『他の英雄たちはどうだったのか』が今回の彼らの物語を作るうえでの着想の1つになった。『自らの願望を捨てた先の現実を受け入れる覚悟、そしてその捨てた心にはそれ相応の力が宿っているはず』という構想が影の王の設定の始まり」
吉田「覚悟をもって捨てたものというのは『想い』としては想像以上のパワーを持っていて、影の王はそれらを自らのものにすることによって力を得たということになる」
Q.古代人の「創造魔法」は光の戦士のアクションにもそれっぽいものがあるが?
A.吉田「それは考えすぎです(笑)」
Q.アーモロートが出来上がった経緯を教えてほしい
A.織田「開発段階では『アトランティス』と呼んでいた。『古代文明ではあるもののSFになりすぎない』よう意識した」
Q.創造魔法における『イデア(概念)』の着想はどこから得たのか教えてほしい
A.織田「古代人の文明を滅ぼした災厄とは何だったのか、という考察から始めた。災厄から逆算して作ったアイデアがイデアになる」
吉田「ほかにはあまりないゲーム作りだと思う」
Q.今までの積み重ねたノウハウがあるからこその手法ですね
A.吉田「よく『ストーリーはどうやって作っている?』という質問を受けるが、実はボイスパートを優先してライティングしている。細かいプロットができたらボイスシーンのセリフから書いていく」
Q.それはつまりラストシーンを先に作っているということですか?
A.織田「そういうことになります」
Q.エメトセルクのシーンなど、ラストの盛り上げ方がすごかった
A.織田「良かったです(笑)」
吉田「我々、わりと毎回綱渡りをしていますね(苦笑)」
Q.最後に日本のプレイヤーに向けて一言お願いします
A.織田「期待してくださっているところをいい意味で裏切っていけたらなと、これからも新しいチャレンジを続けていきたい。ぼちぼち次のシナリオ合宿のことも考えなくてはいけない時期なのでそれまでにいろいろとネタを仕込んでおきたい」
吉田「僕も9月中には次の拡張パッケージのオープニングムービーの字コンテ作らないといけない。それと同時に漆黒のヴィランズシリーズもまだまだ続いていきます。ゲーム体験の幅を広げる要素もパッチ5.Xシリーズで多く計画しており、もう一段『FF14』が成長するための仕掛けはゲーム内外でやっていくつもりです。
『相変わらず、おもしろいことをするなぁ』と感じてもらえるようなことをいろいろとやっていこうと思っているのでこれからも注目していただけるとうれしいです」
以上になります!
もう6.0のオープニングムービー作りに入っているんですね……!
5.Xシリーズもまだ始まったばかりなのにw
吉田Pが言っていた『相変わらず、おもしろいことをするなぁ』という瞬間に出会えることを楽しみにしつつ、今後のストーリー展開にも期待したいと思います。